東京電設サービス株式会社

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サービスのご案内PCB無害化処理

PCB無害化処理とは

PCB(Poly Chlorinated Biphenyl/ポリ塩化ビフェニル)廃棄物(※使用中の機器はPCB含有電気工作物という)については、「高濃度PCB廃棄物」と「低濃度PCB廃棄物」に分けられ、それぞれに処分期限が定められておりますが、現在使用中の微量PCB含有電気工作物については、以下の条件を満たしていれば、「課電自然循環洗浄処理」という方法で変圧器を使用状態にてPCBを無害化することができます。

PCB含有機器を完全に無害化しておくことにより、低濃度PCB廃棄物処理期限である2027年3月31日を過ぎても継続して機器を使用できるだけでなく、更新等により機器を廃棄する際は、有価物として売却できるため、処理費用の低減にもつながります。

課電自然循環洗浄処理と適用条件

  • 現在使用中の微量PCB含有電気機器(変圧器)を洗浄し無害化する技術です。微量PCBが含まれた絶縁油を抜き、新しい絶縁油を充填したうえで90日以上通常運転を行うことで機器内を洗浄します。処理後も継続して機器を使用できることから、エコでスピーディ、さらに低コストな処理方法です。

    ※5mg/kg超~10mg/kg以下の場合は120日以上


    課電自然循環洗浄処理の適用条件

    ①現在使用中の変圧器であること ※電路に接続されている機器が対象です。

    ②変圧器の銘板に記載されている絶縁油量が2,000ℓ以上であること

    ③絶縁油のPCB濃度が0.5mg/kg超~10mg/kg以下であること


    上記の他に、当該変圧器本体に付属し変圧器本体の絶縁油とは別系統となっている以下の部位の洗浄も可能です。


    a.LTC(on-Load Tap Changer)及び浄油機

    b.エレファント

    c.感温部(ダイヤル温度計にて油温を計測するための温度検出部)

    d.中間室


    ※当該変圧器本体に共油型以外のブッシングが付属している場合、同部位は洗浄できません。

    ※a項~d項の絶縁油中のPCB濃度は、上記と同じ0.5mg/kg超~10mg/kg以下であること。


TDSが選ばれる理由

  • POINT.1

    1回の施工で確実に無害化!

    東京電力グループならではの豊富なノウハウを活かした高品質な施工により、1回の洗浄で確実に濃度を低下させて無害化*!2回目の洗浄を行うことがないので、大幅な追加費用が発生しません。

    ※変圧器によってはフラッシングを行う場合があります。

  • POINT.2

    まるごとお任せ!

    当社なら、無害化処理のプランニングから洗浄処理、官公庁への申請手続きまでをまるごと実施。
    個々に実施すると、消防、絶縁油運搬事業者、産廃事業者、実施会社などの各種調整が大変です。
    ご要望により、処理後の各種機器のメンテナンスなども承ります。

  • POINT.3

    設備停止はたった2日間!

    カイゼンにより、無害化処理に必要な設備停止期間を2日*に短縮!土日の設備停止を利用して実施が可能です。また、停止期間を短縮した分、さらにお安くなりました。

    *油量10,000ℓ以上の場合や設備環境によっては、停止期間が長くなります。

  • POINT.4

    処理後も漏油の心配がありません!

    抜油時の大気混入防止対策は窒素ガス置換で行うため、劣化したパッキンへの負担*がなく、無害化処理後に漏油する心配がありません。

    *通常は大気混入防止対策に真空引きを行うため、劣化したパッキンから漏油するリスクがあります

  • POINT.5

    安心で高い施工品質!

    新油は脱気処理をしたものを使用し、油面調整までの時間は十分に確保しています。

    また、窒素充填時の窒素露点温度管理や圧力監視を実施するだけでなく、注油する絶縁油については、
     ①タンクローリー内
     ②脱気処理後
     ③変圧器への注油後
    の3回にわたって現地で耐圧試験を実施するなど、安心で高品質なサービスをご提供いたします。

  • POINT.6

    変圧器ブッシングのPCB濃度分析が可能!

    通常難しいとされている変圧器ブッシング内の絶縁油のPCB濃度分析も当社なら実施可能!

    完全無害化を事前に把握することで、処理期限後も安心して使い続けられるだけでなく、設備更新時は有価物として売却できるので、ライフサイクルコストも低減できます。

動画

動画で知る「PCB無害化処理」

サービス概要

微量PCB含有変圧器の無害化処理トータルサービス

お客さまがお持ちの微量PCB含有変圧器について、無害化処理のプランニングから洗浄処理、官公庁への申請手続きまでをトータルでお任せいただき実施いたします。

  • STEP.1

    お客さまからのお問い合わせ

  • STEP.2

    現地設備調査

    ※ご要望により絶縁油の採油およびPCB濃度分析を実施

  • STEP.3

    無害化処理のプランニング・お見積り

  • STEP.4

    ご契約

  • STEP.5

    資機材搬入・事前準備作業

  • STEP.6

    抜油/新油の充填ほか

    設備停止は2日間

    ※油量10,000ℓ以上の場合や設備環境によっては、停止期間が長くなります。

  • STEP.7

    課電洗浄の実施(90日以上)

    ※5mg/kg超~10mg/kg以下の場合は120日以上

  • STEP.8

    卒業判定(PCB濃度分析)

    ※0.3mg/kg以下で卒業

  • STEP.9

    報告書提出・官公庁申請手続きサポート

※ご要望により、処理後の各種機器のメンテナンスなども承ります。

課電自然循環洗浄処理とは

使用中の微量PCB含有変圧器で、PCB濃度が0.5mg/kg超~10mg/kg以下、銘板油量 2,000ℓ以上のものについて、適用可能な無害化処理方法です。

 

PCBで汚染された絶縁油を抜き、新たな絶縁油を充填。その後、一定期間(90日以上)通常運転することで、外気温との差により油の自然対流が発生して部材等に付着したPCBを洗浄します。

※5mg/kg超~10mg/kg以下の場合は120日以上

課電自然循環洗浄処理のメリット

  • Point1

    スピーディー

    自治体への事前申請が不要で、お客さまのご都合の良いタイミングで処理が可能です。

  • Point2

    エコロジー

    処理後の機器を引続き使用することが可能です。また、設備更新時には一般廃棄物(有価物)として売却できるため、処理コストが低減できます。(ただし、紙、木材は焼却処分が必要です)

  • Point3

    低コスト

    特殊な洗浄剤や機器の運搬・移動が伴わないので、処理コストが安価となります。

これらのメリットに加え、洗浄後はPCB特措法の届出対象から除外されるので、煩雑な官公庁への報告業務から解放されます。

受注実績

    • L株式会社 様

      • 化学

      件名

      • 変圧器課電洗浄業務
    • 受注概要

      6,000kVA、66kV/6.6kV、油量8,100ℓ
      変圧器1台のPCB無害化業務

    • N株式会社 様

      • 化学

      件名

      • 変圧器課電洗浄業務
    • 受注概要

      変圧器2台のPCB無害化業務
      ・5,080kVA、11kV/DC250V、油量8,850ℓ
      ・4,500kVA、11kV/DC250V、油量8,580ℓ

    • N株式会社 様

      • 鉄鋼

      件名

      • 受電20MVAトランス課電自然循環洗浄業務
    • 受注概要

      20MVA、60,000V/3,450V、本体油量19,100ℓ、EL油量2,100ℓ
      変圧器1台のPCB無害化業務

    • J株式会社 様

      • 鉄鋼

      件名

      • 変圧器絶縁油注油
    • 受注概要

      7,500kVA、22kV/3,450V、油量5,200ℓ
      変圧器1台のPCB無害化業務
      他3台

    • J株式会社 様

      • 鉄鋼

      件名

      • 変圧器絶縁油注油
    • 受注概要

      10,000kVA、22kV/3,450V、油量5,750ℓ
      変圧器1台のPCB無害化業務

    • 群馬県企業局 様

      • 自治体

      件名

      • 主要変圧器課電自然循環洗浄委託
    • 受注概要

      13,100kVA、6,300V/154,000V、油量13,500ℓ
      変圧器1台のPCB無害化業務

    • 独立行政法人水資源機構 様

      • その他

      件名

      • 特高変圧器PCB無害化整備工事
    • 受注概要

      6,500kVA、6,600V/3,300V、油量6,400ℓ
      変圧器1台のPCB無害化業務

    • 東京電力パワーグリッド株式会社 様

      • 電気・ガス業

      件名

      • 変圧器 絶縁油取替業務委託
    • 受注概要

      10,000kVA、63,000V/6,900V、
      本体油量18,300ℓ、LR油量1,300ℓ
      変圧器1台のPCB無害化業務
      他40台

    • K株式会社 様

      • 電気・ガス業

      件名

      • 変圧器 PCB無害化処理工事(課電洗浄)
    • 受注概要

      20MVA、75.25kV/6.9kV、油量14,650ℓ
      変圧器1台のPCB無害化業務

    • D株式会社 様

      • 化学

      件名

      • 変圧器課電自然循環洗浄
    • 受注概要

      30MVA、60kV/3,450V、油量17,300ℓ
      変圧器1台のPCB無害化業務

そもそもPCBって何?

PCBとはPoly Chlorinated Biphenyl(ポリ塩化ビフェニル)の略称で、無色透明で科学的に安定し、絶縁性、不燃性、非水溶性などの特性から電気設備の変圧器、コンデンサーといった機器や感圧紙、塗料など幅広い用途に使用されていました。

PCBの構造はビフェニルの水素が塩素で置換されたもので、人工的に合成された化学物質です。PCBは環境中で分解されにくく揮発性があるため、一度環境中に放出されると大気経由で拡散した汚染物質が残留することから、長期間の摂取により体内に蓄積し、肝臓肥大や機能不全などを引き起こす有害性があるものとして報告されています。

中でも1968年(昭和43年)に発生した「カネミ油症事件」では、その毒性(健康被害)や環境汚染が社会問題となり、日本では1974年(昭和49年)に製造、輸入、使用が禁止されています。

PCB廃棄物の種類と確認方法

PCB廃棄物(※使用中の機器はPCB含有電気工作物という)は、PCB濃度に応じて5,000mg/kgを超える「高濃度PCB廃棄物」と、0.5mg/kg超~5,000mg/kg以下の「低濃度PCB廃棄物」に分けられ、0.5mg/kg以下は通常の産業廃棄物となります。

 

判定方法については、高濃度PCB廃棄物は製造期間が判明しているため、機器に取り付けられた銘板を確認することで判別できますが、低濃度PCB廃棄物については、非意図的に混入された機器も存在するため、メンテナンス履歴を確認したり、PCB濃度分析を実施しない限り判断はできません。

 

PCB廃棄物の判別基準

微量PCB含有電気工作物とは

本来は、再生絶縁油の製造が中止された1994年以降に製造された機器からは、PCBが検出することはないのですが、2002年にPCBを使用していないはずの電気機器の絶縁油から微量のPCBが検出されました。

 

PCBが検出されたこれらの機器は、絶縁油の入替えや絶縁油に係るメンテナンス等、何らかの原因により非意図的に混入された可能性があるため、1994年以前の機器はもちろん、1994年以降の機器についても、メンテナンス履歴が曖昧な場合については、PCB濃度分析を行い、PCB含有の有無を確認しなければなりません。

 

これらによって微量のPCBが検出された機器のうち、PCB濃度が10mg/kg以下で銘板油量が2,000ℓ以上の変圧器については、前述した「課電自然循環洗浄処理」を適用し無害化することができます。

 

以上のことから、基本的にはPCB含有工作物については、高濃度と低濃度の2つしかありませんが、低濃度PCB電気工作物のうち、「課電自然循環洗浄処理」が適用できる可能性のある電気工作物をわかりやすく区分するために、「微量PCB含有電気工作物」という名称が使われていると考えます。

PCB廃棄物と微量PCB含有電気工作物の関係

PCB濃度分析はどこに頼んでも同じ?

PCB濃度分析は、ご使用中の機器が汚染されているか否かを判断し、その後の処理方法を決定するための非常に重要な試験ですが、分析会社によって測定精度が異なるのが現状です。

当社の分析・診断センターでは、外部精度管理の一環として信頼性・確実性を担保するため、一般社団法人日本環境測定分析協会が主催するPCBクロスチェックに参加し、毎年「満足(|z| ≦ 2)*」の評価をいただいています。

多数の実績はもとより、信頼性・確実性のある確かな技術により、お客さま設備の汚染状況を精度よく診断・分析いたします。

 

*z-score 評価法によるもので、同評価法は集団の中でどの程度外れているかを評価する統計処理の手法。分析値がゼロに近いほどよいとされています。

【技術情報】絶縁油PCB濃度分析のクロスチェックはご存じですか?

PCB廃棄物の処理方法と処理期限

PCB廃棄物の処理方法と処理期限は、高濃度と低濃度でそれぞれ方法が異なり、以下のとおり決められています。

 

高濃度PCB廃棄物処理方法

低濃度PCB廃棄物処理方法

PCB無害化処理に関連する技術

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