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蓄電池の活用?その背景とは
世界的な温暖化を背景に、パリ協定を契機とし、企業等が脱炭素社会に向けた目標設定(SBT※1,RE100※2)や気候変動に対応した戦略開示(TCFD※3)などを通じ、脱炭素経営に取り組む動きが加速度的に進んでいます。
日本では、2050年までに温室効果ガスを実質ゼロとする「カーボンニュートラル」が掲げられており、脱炭素化に基づく経営戦略や事業方針の策定は地球環境への貢献に加えて、グローバル市場における取引先からの信頼性向上・新たな需要の獲得・資金調達手法の拡大などに大きな影響をもたらします。
その脱炭素経営を進めるうえで、有効な施策の一つが蓄電池の導入です。
蓄電池の活用は、経済産業省が掲げる5つのCO2排出削減の方向性うち、「電源の脱炭素化」、「非電力部門の電化」に貢献します。
※1 SBT(Science Based Targets):パリ協定が求める水準と整合した企業の温室効果ガス排出削減目標の設定と行動を促す枠組み
※2 RE100(Renewable Energy 100%):企業が事業活動に必要な電力を100%再生可能エネルギーで調達する目標を宣言した企業集団
※3 TCFD(Task Force on Climate-related Financial Disclosures):企業の気候変動への取組み、影響に関する情報を開示する枠組み
蓄電池システム導入にあたっての
重要なポイント
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蓄電池システムの導入にあたっては、蓄電容量や充放電回数、停電時出力など、蓄電池本体の性能を重視して選ばれることも多いのではないでしょうか?
しかし、長期にわたって効率的に運用していくためには、蓄電池本体の性能以外にも、事前に確認すべき重要なポイントがあります。
1つ目は、バッテリー制御技術BMS(Battery Management System)で、これは電池を安全かつ効率的に活用するために、充放電を制御するシステムのことです。
蓄電池は、新品であっても容量と残量にバラつきがあるため、このバラつきをいかに効率よくバランスさせるかが重要なポイントであり、それを左右するのがBMSなのです。BMSの制御方式は蓄電池の寿命に大きく影響を与えるため、蓄電池の性能はもとよりBMSの性能も十分に確認し、長寿命化を実現するかどうかを見極めることが大切です。
当社では、セル単位、モジュール単位、ストリング単位で無駄なく充放電できるアクティブバランス制御方式のBMSを搭載した、NExT-e Solutions社製の蓄電池を取り扱っています。
2つ目は、蓄電池の単独運転の防止措置です。
蓄電池の設置にあたっては、電力会社(一般送配電事業者)の系統へ連系する要件として、単独運転を防止する方策を講じなければなりません。
これは万一、災害等で系統が停電した場合に蓄電池から電気が供給されてしまうと、公衆感電、電気機器の損傷、消防活動への影響、事故探査・除去作業員の感電など、重大事故が発生するおそれがあるためです。
停電が発生した際は、停電となったことを確実に検出し系統から切り離さなければならない一方で、その検出感度を高めすぎると平常時の電圧や周波数の変動で不要な動作をするおそれがあるため、その動きを制御する「保護リレー」の組み合わせや整定には、実績とノウハウのある施工会社を選ぶことが重要です。
【TDSナビ|技術情報】系統用蓄電池とは?導入メリットと蓄電池選びのポイントを詳しく解説!
TDSが選ばれる理由
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POINT.1
蓄電池寿命を最大化
充放電時にロスがでないNExT-e Solutions社製のBMS(特許取得)を採用。電池性能を無駄なく発揮し、蓄電池の寿命を最大化します。
※お客さまのニーズにより、別メーカーのBMSもお選びいただけます。
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POINT.2
容量維持率70%を保証
長期的に安定した蓄電池品質をお約束するため、15年で容量維持率70%の容量保証サービス※をご提供しています。
※容量保証サービスのご契約が必要となります。
※NExT-e Solutions社製以外の蓄電池の場合は、各製造メーカーの保証内容に準じた取扱いとなります。
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POINT.3
設置工事からメンテナンスまでワンストップ
蓄電池の選定から系統連系支援、蓄電池・電気設備の設置工事、さらには設置後の保守メンテナンスまでワンストップでお任せください。
系統連系時の単独運転防止措置をはじめ、保護リレー整定の豊富な経験によりお客さまのニーズにお応えいたします。
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POINT.4
PV・EV・風力発電との連携もお任せ
系統連系に必要な対策や、PV・EV・風力発電と連携した効率的な運用方法など、東電グループならではのきめ細かな最適プランをご提案します。
また、大容量となる系統用蓄電池の設置工事もお任せください。
サービス概要
当社では、地球環境への負荷低減を実現する蓄電池のスムーズな導入に向けて、お客さまの使い方に最適な蓄電池の選定から、付帯する電気設備を含めた蓄電池システム設置工事、系統連系支援、さらには設置後の保守メンテナンスまでワンストップでご提供しています。
対象設備 |
- 産業用蓄電池システム設備、系統用蓄電池システム設備
- 特別高圧受変電設備
- 高圧受変電設備
- 太陽光発電設備、EV設備、風力発電設備との連携
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蓄電池システム設置工事
お客さまの導入目的を考慮した費用対効果のシミュレーションや、補助金申請のサポートをはじめ、蓄電池の最適容量や運用方法のご提案などのコンサルティング、また、蓄電池システム等の設置工事からケーブル布設、系統連系支援まで一貫して実施します。
※蓄電池単体での販売も承ります。
サービスメニュー
ラインナップ
系統用蓄電池のカタログダウンロードはこちらから
蓄電池設備の保守メンテナンスは、お客さまのニーズにお応えするプランをご用意しています。
定期点検はもちろん、24時間365日の遠隔監視と速やかな調査・復旧対応など、トラブル発生時のサポートも万全です。
蓄電池導入の効果
蓄電池は、再生可能エネルギーの有効活用、ピークカット、市場取引に加え、災害時の電源の供給を可能にします。
さらに、将来的には地域間でエネルギーを融通しあう地域エネルギーマネジメントや、太陽光発電と蓄電池の組み合わせによる避難所のエネルギー自給自足を実現します。
①再生可能エネルギーの有効活用
発電した再生可能エネルギーの余剰分を蓄電池で充電し、再生可能エネルギー未発電の時間帯に放電することで使用電力量に占める再エネ比率を高めることが可能であり、電気料金の低減にも貢献します。
RE100やSBTなどの影響により、今後再エネ由来の電力が高騰することを見据え、安定的に電力を調達できる仕組みを構築できます。
②ピークカット
③市場取引への参入
蓄電池の余剰分を活用して、JEPX(日本卸電力取引所)や需給調整市場等の市場取引で収益を上げることが可能です。
④BCP対策
通常時に蓄電池に電気を充電しておくことで、災害等で系統電力が停止した非常時に、電気を供給することが可能です。
日本では72時間以上の非常用電源の確保が推奨されているため、蓄電池を含めた72時間以上の電源確保が望まれます。
BCP対策には30%程度を確保し、残りの70%分を①の再エネ活用や②のピークカット、③の市場取引への参入に活用することで、様々なメリットが享受できると考えています。
蓄電池は、リユース電池はもちろん、新品電池であっても容量と残量にバラつきがあるため、この“バラつき”をいかに効率よくバランスさせるかが、非常に重要なポイントとなります。
バラつきがあると、満充電できなかったり、最後まで使い切ることができないため、電池性能を最大限に発揮できないだけでなく、蓄電池の寿命自体も短くしてしまいます。
そこで必要となるのが、蓄電池をセル単位・モジュール単位・ストリング単位でそれぞれバランスさせながら、充電・放電を制御するバランシング技術です。
バランシング技術にも、様々な方式がありますが、当社では、NExT-e Solutions社の特許技術である、ACB(アクティブ・セルバランス)、AMB(アクティブ・モジュールバランス)、IHS(インテリジェント・ホットプラグ・スイッチ)を採用し、蓄電池の寿命を最大化しています。
ACB(アクティブ・セルバランス)
・直列電池の電圧や容量のバラつきを補正する技術であり、ICです。
・アクティブ・セルバランスは、従来技術のパッシブ・バランスと比較して、約10倍のバランス能力があります。
・電池パックや電池システムの直列電池の容量バラつきを制御することにより、システム性能を維持でき、電池システムの長寿命化に貢献します。
AMB(アクティブ・モジュールバランス)
・直列に接続された電池パック間の容量バラつきを補正する技術です。
・ACBと合わせて使用することにより、電池の直列方向での電圧や容量のバラつき補正に制約がなくなります。
・高電圧な電池システムを搭載している電動バスや定置用蓄電池システムでの活用に有効です。ACBと同様、システム性能を維持でき、電池システムの長寿命化に貢献できます。
IHS(インテリジェント・ホットプラグ・スイッチ)
・並列に接続された直列電池を、最大限に活用するための技術です。
・使用電圧範囲の異なる電池を並列接続でき、電圧が同一の場合にスイッチON(接続)、電圧が外れるとスイッチOFF(開放)になります。
・並列接続を簡単に増やすことができ、また電池システムを止めることなく(活性状態)電池パックの交換ができるため、冗長性に優れています。
・この技術により、並列方向への接続に制約がなくなり、電池システムの大型化が可能。複数並列にすることにより、電動バスや定置用蓄電池システムの信頼性を高めます。
筐体設計(蓄電池パック設計)による安全対策
蓄電池パックは、消防法・JIS規格に準拠した耐衝撃性・耐類焼性を実現しています。
また、蓄電池パックを収納する外部筐体にも、消防法推奨の耐火構造を採用していますので、安心して運用できます。
蓄電池パックの安全確認試験
外部筐体の安全対策
東京電力グループの取り組み
上記のような、長期運用を想定した系統用蓄電池の設置には新品電池を使用する一方で、今後普及拡大・低廉化するモビリティ用蓄電池に対しては、送配電事業で培った設備運用技術をもとに蓄電池を分析し、定置用蓄電池システムとして再活用する蓄電池LCM(Life Cycle Management)のコンセプトを掲げ、サスティナブルな社会の実現にも取り組んでいます。
※DER(Distributed Energy Resources):需要家が各地に分散して所有しているエネルギー源のこと。分散型エネルギーリソースとも言われる。
東京電力グループの取り組み事例
豊田通商株式会社様 「自社ビルを活用した再生可能エネルギーのマネジメント実証を実施」
日本電気株式会社様 「カーボンニュートラルへ舵を切る日本 実現の鍵は再生可能エネルギー」
蓄電池システム設置工事・保守メンテナンスサービスに関連する技術
電気・インフラ設備のお役立ち情報
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