変圧器の絶縁油の主成分である炭化水素化合物は、酸素や熱、金属の影響により時間とともに酸化劣化して劣化生成物を形成します。劣化生成物は導電性を持つことから絶縁油の電気絶縁特性の低下を招き、変圧器全体の絶縁抵抗を低下させます。さらに劣化生成物は親水性も持ち、これにより大気中の水分を油中に取り込み、絶縁油の絶縁破壊電圧を低下させます。
このように絶縁油の劣化を放置すると、電気絶縁特性の悪化が原因で重大な事故が発生するリスクが増しますので、古い変圧器や、事故等により事故電流が流れた際は、絶縁油の劣化診断をすることをお勧めします。