東京電設サービス株式会社

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変電機器の外部診断技術とは

電気設備の保全では、一般的に機器を停止(停電)して保全点検が行われますが、機器の停止が容易に出来ない環境にある設備や、設備の停止が可能であっても、設備によっては分解が出来ない構造になっている機器、分解点検はできるが停止時間が長くなる等の課題がありました。電気設備の安定運用のためには、これらの課題に対しても、各種機器の運転中の状態監視や、設備の分解を伴わない施工方法により、設備の異常兆候を把握する予防保全技術が求められております。

当社では、ガス絶縁開閉装置、断路器やブッシング等を主体に、各種測定器、センサーによる高感度、高精度の検出技術を活用した外部診断技術を実用化し電気設備の適切な保全に努めております。

外部診断のメリット

  • Point1

    設備停止・分解の必要がなく、設備を使用したまま機器の診断が可能

    赤外線熱画像診断・ガス機器タンク内異物調査

  • Point2

    設備分解の必要がないため、点検日数、人件費、材料費のコストを低減

    赤外線熱画像診断・ガス機器タンク内異物調査・ガス中水分、成分測定・磁器碍管劣化診断調査

当社の外部診断技術

磁器碍管劣化診断(クラック発生調査)

  • 磁器碍管劣化診断は、磁器碍管のアルカリシリカ反応による吸湿劣化により碍管に生じたクラックを測定する診断です。

    アルカリシリカ反応は、碍管フランジの隙間に滞留した雨水が、碍管をフランジ金具に固定しているセメントのアルカリ成分の溶出によりアルカリ水となり、磁器内部の反応性シリカ鉱物と反応し、結晶質から離脱してマイクロクラックが発生する現象でトラブルに進展する可能性があります。

    磁器碍管劣化診断は、二周波の超音波で斜角探傷により測定し、両者の反射波の感度差から吸湿進展長を算出する測定方法で、分解が不可能な部位の外部診断を行い、設備の安定運用に寄与できる技術です。

ガス機器外部診断

絶縁スペーサーによる部分放電パルス検出

  • ガス機器の絶縁破壊は、局部的な微小コロナに始まり、その部分の絶縁物等が徐々に劣化し、最終的には絶縁破壊に至ります。

    ガス絶縁開閉器(GIS)の絶縁スペーサーは、絶縁スペーサーの接地側エポキシ樹脂内部に埋め込まれたシールドリングに誘起される電圧、あるいは絶縁スペーサーフランジ外周面に貼られたアルミテープに誘起される電圧を検知できる構造となっているため、この部分をコロナ測定器で診断することで、微小コロナを検出し、絶縁性能低下を早期に把握いたします。

AEセンサーによる部分放電並びに異物等の検出

  • AEセンサー(ソニックアナライザ)は、ガス機器の充電部周囲の金属容器に当てて、内部の異常音(超音波)をキャッチすることにより機器内部の金属異物を検出することができます。

    経年劣化により、ガス機器内部の導体被膜が剥がれたりする異物を検出したり、施工時の品質不良による異物を検出したりすることで、事故を未然に防ぐことができます。

ガス中水分測定

  • ガス機器に使われるSF6(六フッ化硫黄)ガス中に水分が存在すると、電流遮断時のアークエネルギーによりSF6ガスは種々のイオン及び原子に分解され、SF4(四フッ化硫黄)やSOF2(フッ化チオニル)などが生成されます。

    これらのガスは、絶縁材料や金属表面を劣化させる原因となるため、SF6ガス中の水分測定を行い、異常を早期に発見いたします。

ガス分析(フッ化水素・二酸化硫黄発生量測定)

  • ガス機器に使われるSF6ガスは、非常に安定度の高いガスでありますが、電流遮断時のアークエネルギーにより高熱にさらされると、化学変化をおこし分解ガス(フッ化水素・二酸化硫黄)が発生いたします。

    これらの分解ガスが、タンク内のガスに含まれていないかを調べることにより、接触不良等による過熱や事故発生時にどのタンク内で事故があったのかを知ることが可能となります。

赤外線熱画像装置

  • 熱画像診断は、赤外線熱画像装置(対象物の表面から放射される赤外線エネルギーを温度分布像として表示する装置)を活用し、非接触で対象物の表面全体の温度分布を測定し、異常の有無を診断いたします。

    電気設備のケーブル接続部や、断路器の接点部等の接続部に、端子の緩みや異物、圧接不足などの異常がある状態で設備運用を継続した場合、接触抵抗の増大により発熱し、設備トラブルに進展する可能性があります。

    赤外線熱画像装置を活用した診断は、トラブルが起こる前の異常状態をとらえ、電気設備の安定運用に寄与できる外部診断技術です。

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