東京電設サービス株式会社

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技術紹介OFケーブルトータルメンテナンス

OFケーブルトータルメンテナンス

OFケーブルの保守・管理や設備トラブル発生時の補修対応,電力会社が有する大量かつ多種多様な設備を長年支え続けてきた技術と経験でトータルサポートいたします。

また,経年OFケーブルの撤去やCVケーブルへの設備更新工事もお任せください。

OF(Oil Filled)ケーブルによる送電システム構成

ケーブル

電気の絶縁に紙と油(絶縁紙と絶縁油)を使用したケーブル電気を流す導体の周りに絶縁紙を巻き,絶縁油を含浸させたもの

接続部(写真は終端接続部)

機器等とケーブル端部を接続するための終端接続部と長距離送電が必要な場合にケーブル相互を接続する中間接続部がある

給油装置(油槽)

ケーブル内部に常に圧力を加え、絶縁油の温度変化に伴う油量の増減や油圧の変化も補償する装置

バルブパネル

ケーブルと油槽の間に給油管を介して設置され、給油系統の切り替えや絶縁油補充時の給油口として使用

OFケーブルのライフサイクル

OFケーブルは長期にわたって使用が可能な設備ですが,そのためには定期的なメンテナンスが必要不可欠です。特に経年ケーブルに対しては健全性確認のため絶縁油の分析診断が有効であり定期的な分析をお勧めいたします。

 

またOFケーブル絶縁油にはPCB(ポリ塩化ビフェニル)含有が確認されており,PCB含有の有無の確認も重要です。

  • STEP.1

    設備把握

    維持管理する設備の現状把握を行い、必要な点検や改修計画を策定します。
    また、所有しているOFケーブルのPCB含有の有無についても、処分期限が迫っているため確認が必要です。
    ・絶縁油採取
    ・絶縁油分析によるPCB有無確認

  • STEP.2

    定期点検

    事故による被害拡大を未然防止するため、定期的な設備の健康診断を実施し、しっかり健全性を確認します。
    ・漏油有無などの外観点検
    ・給油装置の油量油圧点検
    ・絶縁油サンプリングによる健全性確認
    ・漏油等の警報装置の健全性確認

  • STEP.3

    トラブル対応

    万一の事故やトラブル対応を迅速・的確に実施し、操業停止期間短縮、漏油による環境への影響を未然に防止します。
    ・漏油調査(状況確認)
    ・漏油仮補修(油の漏れを止める)
    ・漏油本補修(再鉛工、解体再接続)
    ・絶縁油補給(不足した絶縁油を補充)
    ・事故・トラブル原因調査・分析

  • STEP.4

    計画改修

    PCB含有設備処分や設備信頼度維持のため経年ケーブルの計画的改修を行います。
    ・必要な電力容量と現場実態に応じた設計
    ・OFケーブルの撤去と処分
    ・絶縁油未使用のプラスチック系絶縁体CVケーブルによる引替・改修工事

TDSが提供するOFケーブルトータルメンテナンスの特長とは

国内電力会社が保有するOFケーブルの約4割は東京電力設備です。

当社は、東京電力の設備を数十年維持・管理してきた実績と技術力をベースに、お客さまが安心できるメンテナンスをご提供いたします。

また、電力供給設備への最適な保全方策提案により、トラブルの未然防止とコスト低減の両立を図るとともに、漏油等のトラブル発生時の補修対応まですべてにおいて対応いたします。

絶縁油サンプリングによるケーブル健全性確認

  • STEP.1

    設備停止・採油作業

  • STEP.2

    運搬・分析作業

  • STEP.3

    診断・評価

  • STEP.4

    最適な保全方策の立案

  • Point1

    設備停止を伴わない採油作業

    通常は線路停止をしたのちに採油作業をしていたものを、「活線採油コネクタ」により、設置後は線路停止することなく絶縁油採取が可能となります。

    ○線路停止作業の削減
    ○生産ライン等が停止するリスク低減
  • 活線採油コネクタ

  • Point2

    採油~分析までをワンストップで対応

    通常は採油と分析は別会社で実施するため、運搬や手続きが必要でしたが、当社ならワンストップ対応のため、トラブル等の緊急時も迅速に対応が可能です。

    ○通常20日、事故緊急時は即日の分析対応が可能
    ○PCB含有設備の分析も可能
  • 油中ガス分析

  • Point3

    膨大な分析実績と多様な分析手法を基に評価・保全方策提案

    年間4,000試料を超す分析を実施しており、膨大なデータやこれまでのトラブルから得られた知見を基に、お客さま設備の健全性を評価いたします。
    また、通常の絶縁油中可燃性ガス・アセチレン分析のみならず、OFケーブル劣化の最新の知見を基にした分析項目・手法の実施も可能です。(ICP分析等)
  • ICP分析

  • 活線採油コネクタの構造と仕様 ~スケルトンモデルによる構造詳細~

    項目 特性
    1 耐内圧特性 1.37Mpa(14kgf/cm2・G)の油圧またはガス圧に30分耐え、漏れ、その他異常の無いものとする
    2 SF6ガス機密特性 1.37MPa(14kgf/cm2・G)のSF6ガス圧に耐え、30分後ガス漏れが無いものとする。
    (SF6濃度は10%とし、判定基準は蓄積法で1ppm未満とする)
    3 パルプ開閉 1.37MPa(14kgf/cm2・G)の油圧またはガス圧にてバルブを開閉し、放出・遮断にて漏れ、そ他異常の無いものとする。
    4 雷インパルス耐電圧 試験電圧-55kVに3回耐え、異常の無いものとする。
    5 絶縁抵抗 1000Vメガーで測定した時、100MΩ以上とする。
    6 水密特性 98kPa{1kgf/cm2}の水密に対して、水侵人が無いこと。
    7 ねじり荷重 3.3N・mのねじり荷重に耐え、異常の無いこと。

    

ケーブルからの漏油トラブル対応

初期応動

  • 漏油箇所発見

  • 防食層剥ぎ取り調査

  • 漏油位置特定

漏油補修

  • 再鉛工(油止め)

  • エポキシ含浸テープ巻き

  • 防食仕上げ

油量調整

  • バルブパネルへ接続

  • 小型油補給用タンク

  • 絶縁油補給車 (最大補給量270ℓ)

本復旧(解体再接続)

  • 不良箇所の撤去

  • 再接続準備

  • スリーブ圧縮

  • 絶縁紙巻き

  • 真空引き

  • 再接続完了

OFケーブルのリスクとは ~なぜCVケーブルへの改修が必要か~

OFケーブルは絶縁油分析に健全性確認や漏油時の補修や給油による適切な対応を行うことにより,長期にわたって使用が可能な設備ですが,近年の環境問題,特にPCB含有機器に対する国としての方針や,万一の設備トラブル時の近接設備への影響拡大リスクが顕在化しています。

  • PCB含有機器の処理期限について

    低濃度PCB廃棄物処理期限は、2027年3月31日までとなっています。まずは、お客さまが所有しているケーブルにおけるPCB含有の有無をご確認されることが重要です。

    PCB含有となった場合は、環境大臣が個別に認定する無害化処理認定事業者や都道府県市の長からPCB廃棄物に係る特別管理産業廃棄物の処分業許可へ処理をお願いするとともに、絶縁油を使用しないプラスティック系絶縁体を使用したCVケーブルへの取替をお勧めいたします。

  • CVケーブル引替工事

  • OFケーブル事故を起因とした地下トンネル火災

    電力ケーブル敷設用の地下トンネル内に敷設されていたOFケーブル接続部の絶縁破壊が原因で火災が発生し、付近の複数の電力ケーブルに延焼したことで電力ケーブルが断線し,広範囲での停電に至りました。

    国内電力会社は、170kV以上のOFケーブルを順次CVケーブルに取替えると表明しております。
    (経産省主催第15回電力安全小委員会(2017.3.21)より引用)

  • 洞道火災

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